北九州工業地帯のど真ん中にある黒崎を出た筑豊電車は遠賀川の右岸を直方まで遡る。堂々たる複線電化路線だが、走っているのは路面電車規格の小振りな電車たちで、2000年に全廃された西鉄北九州線の名残をその姿に伝えている。

筑豊電気鉄道線 楠橋-筑豊香月/86列車/2000形2006ACB
いまだ車掌が乗務してのツーマン運転が行われており、その塗装もあいまって古びた印象を受けたが、今年3月からICカードでの乗車が可能となり、開業以来初めてとなる自社発注新造車である5000形の導入が始まるなど大きな変化を迎えている。時代にあった鉄道への進化と捉えるべきだが、その先に待っているのは合理化で、また一つ鉄道が寂しくなるような予感は拭えない。