まもなく3月13日が終わり、日本の鉄道史に残るダイヤ改正の日がやってくる。北陸新幹線へと栄転する「はくたか」は赤字前提のローカル線を首都圏対北陸のメインルートに仕立て上げた千両役者だった。将来的な新幹線開業を見据えて必要最小限の投資で高速特急を走らせることが求められ、その結果採られたトリッキーな運転手法がはくたかの魅力でもあった。

北越急行 十日町-薬師峠信号所/1014M「はくたか」14号/681系2000番台9連
その代表例がトンネル内での行き違いで、160km/hで行きかうはくたかと普通列車を両立させるための苦肉の策としてトンネルに設けられた信号所での交換が行われていた。はくたかがトンネルに突入するときにその圧力で短い普通列車がぐらぐらと揺れるのもここでしか味わえない独特な乗車体験であった。電車でGo!以来親しんだシーンであったが、これも過去帳入りしてしまう。