副都心線を通じて東急東横線・横浜高速みなとみらい線との直通が始まって半年が過ぎた。時宜を逸した感も否めないが4社の様々な車両が行きかう池袋線を朝ラッシュ終盤の中村橋駅で記録した。


快速3710レ(57K運用)飯能→元町・中華街:東急5050系4110F

東急からの乗り入れ車両はいずれも目立つ存在だが、その中でも4110Fは派手な出で立ちでひときわ目を引く。東急車が西武線を行く機会は少なくはないものの緩行線を行く列車が多く、中村橋で順光時間帯に捉えられるのは平日54Kと57K、休日では52Kと56Kに限られる。一方8両編成は急行線を走る列車には充当されていないため、5050系やY500系を狙うには適さない。


快速3712レ(89S運用)飯能→元町・中華街 東京メトロ7000系7101F

2013年製の東急4110Fとともに1974年製の古豪も第一線で運用に就いている。急行線に入るのは10連6本だけであり、圧倒的多数の10000系と共通運用であるため、中村橋で撮影する際には運用の確認をしておきたい。中村橋を光線のよい8時~11時に通過する運用は平日が27S・61S・83S・89Sの4本、休日はわずかに1本で43Sに限られる。


快速3708レ(40M運用)飯能→元町・中華街 西武6000系6104F

地元西武の6000系だが、地下鉄直通の優等列車だけを見るとそれほど充当列車が多いわけではなく、平日では8時から11時の間に設定されている10本中4本に運用されているにすぎない。この数は前述のメトロ車の運用数と同じで、池袋線だけで10連23本が配置されていることを考えると意外と少ないが、これは出庫などの関係で時間帯による偏りが大きいためと思われる。


準急4212レ小手指→池袋 西武9000系9106F

一方9000系は池袋~飯能の優等列車を中心に運用されているため、 数は10連8本と大所帯ではないにも関わらず存在感が大きい。 池袋線の中堅として活躍しているが、台車など足回りには101系初期車のものが使用されており、これらは経年40年を越えていると考えられる。3000系の次にその去就が取り沙汰されることになるかもしれない。


急行2118レ 飯能→池袋 2000系2063F+24xxF

9000系とともに黄色い電車のイメージを守る2000系だが、ブラックフェイスが特徴のいわゆる新2000系では幕車の存在は希少になりつつある。池袋線に12本、新宿線にも10本が在籍する8両編成では写真の2063Fが唯一の存在となってしまった。2連・4連・6連にはまだまだ幕車が残っているとはいえ、狙えるチャンスがあれば確実に押さえておきたい注目編成と言える。

また池袋線では行楽利用にこたえるため、曼珠沙華が見ごろを迎える10月に準急小手指行き4209レを延長して西武秩父行5091レとして運転している。これには2000系が専ら使用されているが、これは西武秩父線内のホーム有効長の関係で所定10連の4209レがそのまま直通できないためで、5分停車の小手指駅にて下り方の2連を切り離す運用が行われている。


快速急行1104レ 飯能→池袋 西武20000系20101F

登場から12年目を迎えた20000系の運用にはこれと言った傾向はなく、保谷・豊島園までの区間運用から飯能への優等運用まで分け隔てなく使用されている。そのため8連4本・10連3本の存在感は希薄と言える。狙って撮らない車両でもあるので意外と記録に残っていないのではないだろうか。


準急4208レ 小手指→池袋 西武30000系38105F+32xxxF

着実にその数を増やしている30000系は現在8連7本と2連4本が池袋線の運用に就いている。20000系と同様に万遍なく使用されているが、拡幅車体で輸送力が大きいためか混雑列車に優先的に使用されている感を受ける。現行の勢力は池袋線64両と新宿線60両で合計124両だが、今年度中には10連貫通編成2本と、8連1本の28両が増備される予定で、さらに今後3年間で10連6本と8連3本の計84両が導入される。また、これらの増備編成のうち最初の10連貫通編成は今週末に甲種輸送により到着する予定となっている。


特急ちちぶ18号 西武秩父→池袋 西武10000系1010xF

10000系は今まで通り7連7本での運用が続けられている。特急列車に関するトピックとしては新たな特急券チケットレスサービスSmoozが開始され、携帯端末対応でない池袋駅などの自動改札機の使用が停止されている。


特急むさし12号 飯能→池袋 西武10000系10105F

レッドアロークラシックとして旧5000系の塗装を施し話題をさらった10105Fだが、2011年11月の登場からまもなく2年を迎える。ちょうど見慣れてきた頃合いであるが、今後検査入りするとこの塗装が維持されるかどうかは不透明だ。また10000系自体も9000系同様101系の廃車発生品を流用しており、今年登場から20年を迎えた同車もそろそろターニングポイントを迎えているのかもしれない。



各駅停車5638レ 保谷→池袋(※2011年ダイヤ) 西武3000系3003F 西武池袋線練馬高野台駅

最後に今回の記録ではないが、101系に続いて30000系による置き換えが発表された3000系にも触れておきたい。

3000系は池袋線で4本が運用されており、このうち2本がラッピング車であるためわずかに2本が黄色い西武伝統の塗装を守っている。新宿線の8連3本と6連2本は黄色であるため、黄色い3000系そのものはしばらくは安泰と思われるが、10月の横瀬でのイベントが黄色を守る3003Fのラストランとなることが発表されており、池袋線においてはトップナンバーの3001F1本だけが黄色塗装で残ることになる。

3000系は8連固定であることから池袋⇔保谷・豊島園の区間運転での運用が多いものの、日中の8連単独優等列車にもしばしば充当されている。しかし本数の限られる3000系を狙いやすいのはやはり午前中の池袋口ということになろうか。